不動産の売却の流れがよくわからないお客様。大丈夫です!
順を追って丁寧にご説明いたします!
不動産をご売却する機会はそれほど多くない方が殆どだと思います。
そのような中で不動産のご売却を成功させるためには事前に知識を蓄えることが重要です。
ここでは不動産のご売却の大まかな流れを居住用住宅の場合を例に見ていきましょう。
不動産のご売却は次の流れで進んでいきます。
次の項目から、それぞれ具体的な内容を見ていきます。
Step 1. 情報収集・整理期間
不動産も商品(食品やiPhone)などと同様で、高く早く売るためには事前のリサーチが重要です。
実際にご売却を開始する事前準備として収集・整理すべき情報等の内容について見ていきましょう。
売却の流れの予習
まずは予習がファーストステップです。このページをご覧いただいている方はそもそも予習をされているので、こちらは割愛します。
販売時期を明確にする
販売時期を明確にすることによって販売手法が変わってきます。基本的には早く売りたい場合は金額が安くなります。
相場の把握
売主様ご自身で相場情報を入手する
売主様ご自身で相場を把握する場合、売出し中の物件情報をポータルサイト(SUUMO、HOME’S、アットホーム、ふれんず等)から収集します。その時は次のようなことに注意して下さい。
- 立地、築年数、構造、面積、接道、駐車場の有無、金額
- 販売開始時期
- 閲覧数、お気に入り登録数
- 同様の物件の他エリアでの金額
立地、築年数、構造、面積、接道は金額に大きく影響しますので、これらの条件を意識しながら閲覧を繰り返すことにより相場観が身に付いてきます。
また、販売開始時期を見ておくと売れ残っている物件がわかります。売れ残っている原因は、金額が高すぎる、写真の撮り方やコメント等が悪く魅力を伝えられていない、問題を抱えた物件、など様々ですが相場を把握するためにはとても参考になります。
不動産会社の査定を受ける
不動産会社に査定を依頼すると、相場や過去の販売実績を勘案した金額(査定額)を教えてくれます。
査定方法には「机上査定」と「訪問査定」があります。
最近では机上査定をAIがしてくれる便利な時代となりましたが、不動産の状況は千差万別なので、AI査定では正確な査定額を出すことができない場合も多いです。
訪問査定では不動産会社の担当者が実際にご自宅を訪問して間取りや内装、リフォームの状況等を確認してから査定額を出すので、建物の状況を反映した金額を知ることができます。
信頼できる不動産会社の選定
「大手の不動産会社に任せておけば大丈夫」と思われる方は多いです。同業者目線で言わせてもらうと、半分合っていて半分間違っています。
大手の不動産会社に限った話ではありませんが、同じ会社の営業マンでも、尊敬できるような素晴らしい方もいれば、こんな営業マンには大切な人の不動産の売却を絶対任せたくないと思うような人もいるのが現状です。
確かによく知らない不動産会社に任せるよりは大手の不動産会社に任せる方が、良いかもしれませんが、良い担当に当たるかどうかは運も絡んできます。
そこでオススメするのは数名の営業マンに実際に会って、人として、また、プロフェッショナルとして信頼できる方か見極めることです。
大手法人から個人経営の不動産会社まで規模は様々ですが、規模によって良い悪いというものではなく、それぞれに良いところと、そうでもないところがあります。
売主様が何を求めているかによって選択すべき「良い不動産会社」が異なります。
どのようなサービスを提供してくれるかや、どういった広告活動をしてくれる会社なのかもこの時点でご確認下さい。
Step 2. 媒介契約
物件の相場が把握でき、不動産会社も選定できたらいよいよ販売開始です。
販売を開始する前に、不動産会社と「媒介契約」という契約を結ぶ必要があります。
媒介契約は、不動産の販売活動を正式に不動産会社へ依頼するために結ぶ契約です。
媒介契約には下記の3種類があり、それぞれ内容が異なるのでご自身の不動産の販売スタイルに合った契約をして下さい。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
Step 3. 販売活動期間
媒介契約を結んだ不動産会社は下記のような広告をして購入希望者から購入の申込みを受けます。
ポータルサイト等へ物件情報の掲載
最近では主流の広告活動です。
SNSでの発信
比較的若い方をターゲットとした場合に効果的な手法です。
Youtube等の動画で魅力を訴求
静止画と比べ動画は情報量が多いので、不動産の魅力がしっかりお客様に伝わります。Youtube動画を作成してくれる不動産会社なら是非活用したほうが良いオススメの広告です。
紙媒体での広告
現在はインターネット中心の広告活動が主流ですが、忙しくてインターネットのチェックができていない方や、インターネットに不慣れな方には昔も今も紙媒体はとても有効です。
物件に看板を掲示
物件の近くに住んでいて、お子様の校区や職場の関係で周辺の物件を探されている方はとても多いです。そのような方には「売物件」などの看板を掲げるのはとても有効です。ただ、ご近所さんに知れるんので、する方は多くはないです。
購入申込
不動産の購入希望者から購入の意思表示として買付証明書が不動産会社を通して売主様に入ります。買付証明書には次の事項について購入希望者の要望が記載されています。
- 購入希望金額
- 手付金の額
- 契約日
- 入居時期
- ローンor現金
- ローン特約
購入希望者と売主様のご要望を擦り合わせて、売主様がご納得できれば、買付を受諾し、契約に進みます。
Step 4. 売買契約
契約に際して不動産会社は、重要事項説明書というものと不動産売買契約書を作成します。
売主様は売却する不動産について購入者が不利益を被る可能性のある事項を告知する義務を負います。知っていることは包み隠さず不動産会社に説明して重要事項説明書等に記載してもらいましょう。
事前に重要事項説明書等に記載していれば、後々のトラブルを回避することができます。
重要事項説明書と売買契約書が作成できたら契約を締結し、売主様は購入希望者より手付金を現金または振込で受領します。手付金は残代金決済の際に物件の売買代金に充当されます。
契約時点で、不動産会社に対して仲介手数料を支払うケースでは仲介手数料総額の半金を不動産会社に支払います。仲介手数料は決済時に全額支払うケースもあります。
Step 5. 残代金決済準備&物件のお引き渡し準備
契約が完了すると、契約で定められた形で決済&物件のお引渡しをするための準備を開始します。
引越しや不用品の処分などを実施します。引越し業者や不用品の処分業者は不動産会社が良いところを知っている場合もあるので、紹介してもらうのも良いです。
同時に決済に向けて下記を準備します。
- 全ての鍵
- 権利証
- 設備等の説明書等
- その他買主様に引き継ぐ物(隣地所有者との契約書等)
Step 6. 残代金決済&物件のお引渡し
決済は通常銀行で行います。売主様の口座に売買の残代金と固定資産税や管理費等の清算金の入金を確認できたら、事前に準備していた鍵、権利証等を買主にお渡しして不動産会社に仲介手数料を支払って、取引は終了となります。
ただし、決済後も契約不適合責任は負うのでその点は念頭においておいて下さい。
おわりに
以上が不動産のご売却の流れになります。最後まで読んでいただきありがとうございました!