進学、就職、結婚などを機に不動産を探し始めるときに、おさえておきたいポイントをまとめました。
物件探しを始める前に、この記事を見ながら、どんな物件を買いたいか整理しましょう。
あなたは戸建派?マンション派?
まずは、マンションが良いのか、戸建てが良いのか決めましょう。
ざっくりとですが、両者ではこのような違いがあります。
マンション
マンションは、集合住宅で、イメージとしては人が住むために特化した建物といったところでしょうか。住むために便利なものがコンパクトに揃っています。一般的な戸建てと比べて保温性が高く寒さ暑さの影響を受けにくいです。また、共用部分は維持管理のための作業を自分でしなくて良いので、手間を掛けずコンパクトに暮らしたい方に向いています。
戸建
戸建は、維持するのに多少の手間がかかりますが、庭を作ったり、駐車場を設けたり、より自由な暮らし方をしたい方に向いています。一般的に戸建の方が保温性が高くないので、冷暖房などの光熱費はマンションよりかかります。また、維持管理はご自身でしないといけないので、計画的なメンテナンスを念頭に置いて資金を準備しておく必要があります。騒音などもあまり気にしなくて良いのは気が楽で良いですね。
ななかな決められない方は、マンション・戸建て両方で探し始めて、内見などをしてから決めていっても良いかもしれません。
住みたいエリア
ライフスタイルに合わせてエリアを考えていきます。次のことなどを念頭にエリアを絞っていきます。
- 職場へのアクセス
- 校区(学区)
- 生活の利便性
- 街中 or 閑静な住宅地 or 田舎
- 災害に強い
基本的に利便性やブランド力の高いエリアは人気が高く、不動産価格も高くなりますね。
それぞれもう少し深掘りしてみましょう。
職場へのアクセス
毎日通勤する必要があるかたは、職場へのアクセスにストレスのない場所を選びたいですね。
あなたは、どのような手段と頻度で職場に通勤していますか?
例えば
- 電車やバスで通勤
- 車で通勤
- 徒歩で通勤
- 通勤の頻度(毎日 or 週2回など)
通勤の条件は皆さん違うと思いますが、通常、駅(バス停)に近い不動産は人気があるので価格は高くなります。また、駅から近くても線路沿いの物件は電車の騒音の影響で、価格が低めになっていることが多いです。音が気にならない方はいいかもしれません。騒音については、慣れれば大丈夫と言う方と、やっぱり慣れなかったと言う方がいますので、慎重にご判断下さいね。
最近ではコロナウイルスの影響で、リモートワークが増え、家が駅に近い必要がなくなった方も多いです。
職場へのアクセスを気にしなくてよいとなると、物件選定の選択肢が一気に広がります。価格もグッと抑えやすいです。
職場へのルートも何通りかある場合は、選択できるエリアが広くなることもあるので穴場の物件が探せるかもしれません。地域のことに詳しい人に話を聞ければ心強いですね。
電車通勤
電車通勤の場合は、特急や急行が停まるかも重要です。物件価格にも反映される要素となります。
弊社のある福岡では、駅によって座席に座れる可能性が高いところとそうでないところがあります。そのようなことも判断材料としてもよいですね。
車通勤
車通勤の方の場合は、GoogleMapなどのルート距離だけで判断せず、通勤時間帯の混雑状況も必ず確認しましょう。
距離は短いけど通勤時間帯の交通渋滞がひどいエリアだと「こんなはずじゃなかった・・・」と後悔してしまいます。
余裕があれば、ご自身が行動する別の時間帯も確認しておくことをオススメします(土日の午前中など)。
徒歩で通勤
交通量の多い道路、歩道が狭い(ない)などを確認し、徒歩で通勤する上で安全性が確保できるか確認したいところですね。お子さんにとっても安全な場所が望ましいです。
校区(学区)
公立学校の通学区域を西日本では校区、東日本では学区といいます。
お子様が転校しなくても良いように校区(学区)限定で探されるかたも多いです。
行きたい公立学校がある場合は、市や区のホームページなどで通学区域を確認しましょう。
ちなみに弊社がある福岡市では下記のサイトで確認することができます。
生活の利便性
利便性は人によって近隣の施設に何を求めているのかによって変わってきます。
挙げたらキリがないですが例えば次のようなものがあります。
近隣施設に求める利便性
- 食品が買えるスーパー等
- コンビニ
- 日用品の販売店
- 薬局・ドラッグストア
- 総合病院
街中? or 閑静な住宅地? or 田舎?
どんなところで住むのが心地よいかとういのは、好みが分かれるところですね。
街中に住んでいれば、流行りのものや行列のできる美味しいレストランなどへクイックアクセスできシティライフを満喫できるでしょう。
ただ、人通りや交通量の多いところだと、騒音が気になることも。
閑静な住宅地では、街中と比べ人工的な騒音が少なく、落ち着いた住環境で静かに暮らすことができます。
田舎であれば、植物や動物、昆虫などを身近にして、生命の力強さ自然の偉大さなど、シティライフとは一味違った感動を日々感じられることでしょう。
また、田舎であれば家庭菜園のスペースを確保することは難しくないので、自分で育てた採れたての野菜や果物を味わうこともできますね。ハマる人も多いです。
自然豊かな場所は、市街化調整区域となっていることがあります。
市街化調整区域の土地では原則建物は建てられないので購入の際は注意が必要です。
災害に強いエリアか
異常気象や突然の大地震など、もしもの時のこともしっかり考えて物件を選びたいところ。
「災害に強い」というのは安心して暮らすためには非常に重要です。
災害には次のようなものがあります。
- 河川の氾濫
- 土砂災害
- 地震
- 津波・高潮
このような災害に強い物件であるかどうかは、物件所在地の地域で作成されているハザードマップで誰でも確認できますので、エリア選定の際は必ず確認しておきましょう。
福岡市近郊であれば下記のリンク先サイトで確認することができます。
福岡市
福岡市総合ハザードマップ
大野城市
総合防災マップ(ハザードマップ)
糸島市
糸島市ハザードマップ
全国版のハザードマップは下記リンク先サイトで確認できます。
お部屋の広さや間取り、設備
広さ
小さい家が好きな方もいますが、予算が許すなら、適度な広い家に住みたいですね。
どれくらいの面積があれば良いのかとういのは、最初の段階ではなかなかイメージができないと思います。
国土交通省が策定している住生活基本計画にお家探しの参考になりそうな面積が示されているのでザックリご紹介します。
世帯人数 | マンション面積 | 戸建て面積 |
---|---|---|
1人 | 25㎡~40㎡ | 25㎡~55㎡ |
2人 | 30㎡~55㎡ | 30㎡~75㎡ |
3人 | 40㎡~75㎡ | 40㎡~100㎡ |
4人 | 50㎡~95㎡ | 50㎡~125㎡ |
5人 | 57㎡~109㎡ | 57㎡~142㎡ |
こちらの面積については下記の記事で詳しく解説していますので、ご興味がありましたら見てみて下さい。
お家の広さの目安ってあるの?国交省の住生活基本計画のおはなし
間取り
間取りは、『4SLDK』のように数字とアルファベットで表示されます。
表示 | 意味 |
---|---|
数字部分 | 居室の数 |
R | Room、ルーム、部屋 |
L | リビング、居間 |
D | ダイニング、食事をするところ |
K | キッチン、台所 |
S | サービスルーム、納戸 |
その他、クローゼットをCLと表示したり、ウォークインクローゼットをWCLなどと表示していることもあります。
ワンポイント
居室とは、建築基準法で『居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいう。』と定義されています。
主流の間取りは次のものです。
1R
一つの部屋にキッチンがあるタイプ。一番コンパクトです。
数字+K
居室と別にキッチン(K)があるタイプ。それにプラスして数字の数だけ居室があります。お食事は居室を使うことになります。
数字+DK
キッチン(K)と同じ部屋にダイニング(D)があるタイプ。それにプラスして数字の数だけ居室があります。
数字+LDK
キッチン(K)と同じ部屋にダイニング(D)とリビング(L)があるゆったりタイプ。それにプラスして数字の数だけ居室があります。
予算の問題もありますが、間取りは次の2点をベースに決めましょう
- キッチン(K)のある部屋のダイニング(D)とリビング(L)の要否
- 独立した部屋が何部屋必要か
設備
新築であればどこまで設備を付けるか、中古ならどんな設備がついているかは豊かに暮らすためには重要ポイントですね。
例えば次のものがあります。
- カウンターキッチン
- 浴室乾燥機
- お風呂の追い焚き機能
- 温水便座
- 複層ガラス
- 床暖房
設備については一長一短があったりもするので、デメリットもしっかり考えておくとよいです。
例えば追い焚き機能は新しいお湯を足さなくても適温にしてくれる便利なものですよね。
ただ、別の見方をすると、浴槽のお湯を配管を通して外部の給湯器に送り、温めて再度浴槽に戻しているため、配管を定期的に洗浄等をして清潔にしておかないと雑菌が湧いてしまうというデメリットもあります。
おわりに
ここまで理想の新居のイメージは、ある程度できてきましたか?
一つずつ理想を積み上げていく作業はとてもワクワクしますね。
ご予算、エリア、ご入居時期などを自由に決められる方でしたら、積み上げたイメージ通りの理想的な物件を手に入れることができるかもしれませんが、殆どの場合は、理想の条件に優先順位を付けて物件を選んでいくことになります。
物件探しに夢中になっていると、妥協できる条件と妥協できない条件、その条件の順位付けなどが頭から離れて、冷静であれば見送っている物件でも内見などをして無駄な時間や体力を使ってしまうこともあります。
物件探しはとても体力のいることです。お目当ての物件がなかなか見つけられず、物件探しの期間が長くなればなるほど疲弊していきます。
運命の物件に出会ったときに素早く行動できるように体力を温存し、常に冷静な視点で『妥協できる条件、妥協できない条件、その条件の順位付け』などを整理しておきましょう。
特に欲しい物件が、他の人も欲しいような人気の高い物件の場合は、契約までのスピードが重要になります。事前に考えを整理しておくことで素早く正確に判断することができ、結果として良いお買い物ができます。
本日はここまで。
最後までご覧いただきありがとうございます。